【第60回 気象予報士試験 実技1】問3を徹底解説|エマグラム・雲底高度・平衡高度・雲頂気温

こんにちは!今回は第60回 気象予報士試験 実技1 問3を解説します!

今回の問3では、

  • エマグラムの読み取り
  • 雲底高度の求め方
  • 乾燥断熱線
  • 等飽和混合比線
  • 湿潤断熱線
  • 浮力がなくなる高度
  • 雲頂の気温

など、対流雲の発達を考えるうえで重要な内容が問われています。

特に、 雲底は「乾燥断熱線」と「等飽和混合比線」の交点で求める という手順をしっかり押さえましょう。

実技試験記述5型

基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)

  • 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
  • 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
  • メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
  • リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
  • 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」

■ 問3(1) 雲底高度の読み取り

問題の要点

地上の空気塊を断熱的に持ち上げたとき、雲が発生し始める高度をエマグラムから読み取る問題です。

模範解答

雲底の高度:950hPa(940hPaも可)

参考にした等値線等:乾燥断熱線、等飽和混合比線

◇ 解説

この図で確認するポイント

  • 地上の気温
  • 地上の露点温度
  • 乾燥断熱線
  • 等飽和混合比線
  • 2本の線が交わる高度
第60回実技1問3 エマグラム 雲底高度

雲底高度とは、空気塊を持ち上げたときに水蒸気が凝結し始める高度です。

別名で、

持ち上げ凝結高度(LCL)

とも呼ばれます。

エマグラムで雲底高度を求める手順は、次の通りです。

雲底高度の求め方

  • 地上の気温から乾燥断熱線に沿って上へたどる
  • 地上の露点温度から等飽和混合比線に沿って上へたどる
  • 2本の線が交わる高度を読む

今回の図では、乾燥断熱線と等飽和混合比線の交点が、

950hPa付近

にあります。

したがって、雲底高度は950hPaです。

つまずきポイント

雲底高度を求めるときに、いきなり湿潤断熱線を使ってしまう受験生がいます。

雲ができる前の空気塊は未飽和なので、まずは

乾燥断熱線

を使います。

露点側は等飽和混合比線に沿って上げる点もセットで覚えましょう。

■ 問3(1)まとめ

  • 雲底高度はLCL
  • 気温から乾燥断熱線をたどる
  • 露点温度から等飽和混合比線をたどる
  • 交点が雲底高度
  • 今回は950hPa付近

■ 問3(2) 浮力がなくなる高度と雲頂気温

問題の要点

雲底高度からさらに空気塊を上昇させ、浮力がなくなる高度と、その高度における雲頂の気温を読み取る問題です。

模範解答

浮力がなくなる高度:660hPa(650〜670hPaも可)

雲頂の気温:-28℃(-27〜-29℃も可)

◇ 解説

雲底高度に達した空気塊は、飽和しています。

そのため、雲底より上では、

湿潤断熱線

に沿って上昇させます。

空気塊が周囲の気温より高い間は、正の浮力を持って上昇を続けます。

しかし、ある高度で空気塊の温度と周囲の気温が再び等しくなります。

この高度が、

浮力がなくなる高度

です。

平衡高度、またはLNBに相当します。

今回の読み取り

950hPa付近の雲底から、空気塊を湿潤断熱線に沿って上昇させます。

すると、空気塊の温度曲線はおよそ

660hPa付近

で環境大気の気温線と再び交わります。

したがって、浮力がなくなる高度は660hPaです。

さらに、この高度の気温をエマグラムから読むと、

-28℃

となります。

これが雲頂の気温です。

記述式解答のポイント:構造型

どこで:雲底950hPaから660hPa付近まで

なぜ:飽和した空気塊が湿潤断熱線に沿って上昇するため

何が起きている:660hPa付近で浮力がなくなり、雲頂となる

超重要

雲底までは乾燥断熱線、雲底から上は湿潤断熱線です。

つまり、

  • 未飽和:乾燥断熱線
  • 飽和後:湿潤断熱線

という切り替えが必要です。

■ 問3 全体まとめ

  • 雲底高度は950hPa付近
  • 雲底は乾燥断熱線と等飽和混合比線の交点
  • 雲底より上は湿潤断熱線をたどる
  • 浮力がなくなる高度は660hPa付近
  • 雲頂気温は-28℃
  • エマグラムでは線の使い分けが重要

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第60回 気象予報士試験 実技1 問3の解説でした!

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